小説感想ブログ~ロマンスを探して~

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胸キュンなロマンス小説に夢中

「花嫁の値段」ミシェル・リード

花嫁の値段(ミシェル・リード)

 

ミアは二人の男性によって取り引きの材料にされていた。二人の男性にはそれぞれ欲しいものがある。ミアの父は財産を託せる跡継ぎの孫息子を望んでいるし、相対するギリシア人の実業家アレクサンダー・ドゥーマスは、かつて一族が手放した父祖の島を、現在の所有者であるミアの父から取り戻したがっている。男の子ばかり生まれる家系のアレクサンダーに、父は提案した。ミアと結婚して、生まれた男の子を引き渡せば、島を返してやろう。人を売り物扱いする非人間的な申し出に怒ったアレクサンダーは、父親の言いなりに男と関係を持とうとするミアにも侮蔑の目を向けた。けれどもミアには、父の命令に従わざるをえない重い秘密があった。

 

契約結婚から始まるロマンスもの。

小出しに明かされるヒロインの秘密に後半飽き気味。

気持ちの変化の描写が少なく、いきなり両想いのハッピーエンド…、恋愛過程が好きな自分はこの作品は楽しめなかった。

 

 

「魔女が愛した王子」トレイシー・マクニッシュ

魔女が愛した王子(トレイシー・マクニッシュ)

★★★★

 

父親からは召使同然にこき使われ、村人には魔女といって忌み嫌われるオルウィンは、崩れかけた古城でつらい毎日を送っていた。ある日、解剖学者の父親のもとに運びこまれてきた男性の遺体を見て、その美しい姿から目が離せなくなる。実際には意識を失っているだけの男性を連れてオルウィンは古城を逃げ出し、目覚めぬ彼を“わたしの王子さま”と呼んだ。オルウィンのくちづけで目を覚ました王子は彼女を自分の城へと連れていき、ふたりはいつまでも幸せに暮らす―そんなおとぎ話のような空想をしていた彼女の前で、美しい男性は目覚めて…。

 

死体に恋してしまったヒロインが、自我に目覚めていくサスペンス風ロマン。

解剖学が盛んだった当時の西洋を知ることができる。

個性的なキャラが多く、物語もまとまっていて読みやすかった。

個性的な作品なので、普通の設定に飽きた方におすすめ。

 

 

「白いバラのブーケ」ノーラ・ロバーツ

白いバラのブーケ(ノーラ・ロバーツ)

★★★

 

15歳でみずからの帝国を築くことを心に誓い、一攫千金を夢見てスコットランドからアメリカへ渡ったダニエル・マクレガー。そして、女性が仕事を持つのがまだめずらしかった時代に、一流の外科医を目指したアンナ・ホワイトフィールド。ともに生きることを望むふたりに前に、互いの夢が立ちはだかる。夢を捨てなければ、愛はまっとうできないのだろうか…?全世界を感動の渦に巻きこんだ、マクレガー家を築いた祖父ダニエルの恋がいまよみがえる。

 

夫・ダニエルが危篤になり、そこから二人の出会いを思い出す・・・。

女性が仕事をすることが難しい時代、自分の意思を貫いたアンナと彼女の理解者となったダニエルの物語。

派手な展開はないが、心にじんわりくる内容だった。

 

 

「プリンセスの復讐」ノーラ・ロバーツ

プリンセスの復讐(ノーラ・ロバーツ)

★★★★

 

お父様がお母様をレイプしている。ジャキール王国のハーレムに生まれたプリンセス・エイドリアンは、寝台の下で耳をふさいだ。王の寵愛を失い虐待されていた母は、幼い彼女を連れて祖国アメリカへ逃亡した。傷ついた母が麻薬と酒に溺れて死んだとき、エイドリアンは復讐を決意する。王宮の金庫から父の権威を象徴する『太陽と月』を盗み出すのだ。美しく成長し、社交界の華となったプリンセスの隠された素顔―それは、憎しみに燃える宝石泥棒だった。

 

母が異教徒であること、生まれたのが息子でないことから、父王に疎まれるプリンセス・エイドリアン。

母は日常的に暴力を受けていた。

ある日、父王のもとから逃げだした二人。

しかし、彼女たちを待ち受けていたのは壮絶な運命だった。

 

主人公と母の半生が語られる第一部、現在編の第二部・三部で構成。

特に第一部は非常に濃い内容。

全体的にドラマチックな展開で目が離せなかった。

 

ただ、濃厚な内容だった上巻に比べ、下巻は軽い。

復讐の方法も他にもっとあったのではと思わずにはいられない。

名作になりそうな上巻から、急にロマンス小説に変身した下巻への落差が残念。

とはいえ、総合的にはとても楽しかった。

 

 

「アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う」ゲイル・キャリガー

アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う(ゲイル・キャリガー)

★★★

 

9世紀イギリス、人類が吸血鬼や人狼らと共存する変革と技術の時代。さる舞踏会の夜、われらが主人公アレクシア・タラボッティ嬢は偶然にも吸血鬼を刺殺してしまう。その特殊能力ゆえ、彼女は異界管理局の人狼捜査官マコン卿の取り調べを受けることに。しかしやがて事件は、はぐれ吸血鬼や人狼の連続失踪に結びつく― 

 

ファンタジー読みたくて買ったのに、ロマンス小説だった。

ちょっと思っていたのとは違うが、ファンタジー要素強めのパラノーマル本。

まだ序章といった感じなので、これからに期待。

このシリーズは表紙が素敵。

 

 

「隻眼のガーディアン」アマンダ・クイック

隻眼のガーディアン(アマンダ・クイック)

★★★★

 

黒いアイパッチで片目を覆った眉目秀麗の子爵ジャレッドは、海賊の末裔である父親たちに約束した―曾祖母の日記をかならず取り戻すと。その日記には、曾祖母の夫が隠した莫大な財宝のありかが暗号で記されているのだ。日記は、探検旅行学会に所属するオリンピアという名の若い女性の手に渡っていた。ジャレッドは身分を偽ってオリンピアの甥たちの新しい家庭教師になりすまし、彼女に近づく。出会った瞬間に二人が恋に落ちるとは夢想だにせずに…。

 

ヒーローが、ひたすらヒロインに一途。

謎解きも面白かった。

ただ、海賊の血筋といいながら特になにもなかったので、もっと何か欲しかった。

全体的にまとまっていて良作。

安定のアマンダ作品で、いまのところはずれなし。

 

 

「ハイランダーからの手紙」サブリナ・ヨーク

ハイランダーからの手紙(サブリナ・ヨーク)

★★★★

 

自分の容姿に自信のないハンナだが、彼女の持つ肥沃な土地と繁栄した 漁村という財産があるおかげで、夫をつかまえることは難しくない。 けれど、自分が求めるような男性と結婚できる望みはなく、 財産を狙う欲深い者にしか求められないのなら、結婚しないほうがいいと思っていた。 そう、彼に会うまでは。 求婚者のひとりに無理やり傷ものにされそうになったときにハンナを助けてくれた人物は、 いままで彼女の周りにいた男とはまったく違った。 しかし、自分の情熱をかき立ててくれる相手と出会えたと思ったのに、彼に拒絶されてしまい──。

 

スコットランドが舞台の、結婚から始まるロマンスもの。

寡黙な夫に対してどう接するか、切磋琢磨する新婚妻・ハンナ。

努力が実り、互いに心許し尊重していく姿に癒された。

全体的に甘めなシーン多し。