「料理番の娘」アン・アシュリー
料理番の娘(アン・アシュリー)
★★★★
両親と死に別れて天涯孤独となったエマは、夫婦で宿屋を営む元乳母のもとで、料理番として働いている。あるとき、ロンドン社交界の花形貴族のベネディクトが、長逗留のための荷物をたずさえ、颯爽と現れた。最高の花婿候補として、浅はかな女たちに追いかけ回されることに疲れ、この片田舎で羽を伸ばそうとやってきたのだろう。美しい黒髪にバイオレットブルーの瞳をした彼が持つ品格に圧倒され、エマは思わず華やかな舞踏会で彼にエスコートされる自分を夢想した。だがすぐに、現実の我が身を振り返り、恥ずかしさに頬を染めた。しがない料理番が上流階級の彼に恋しても、惨めな思いをするだけ…。
不審死の謎を解くため、地方に訪れたヒーロー。
その村の宿で料理番をしていたのは、美しく聡明な女性だった…。
ヒーローが完璧すぎる。
ミステリとロマンス要素がほどよい。
身分差の恋の行方も気になり、最後まで楽しかった。