「プリンセスの復讐」ノーラ・ロバーツ
プリンセスの復讐(ノーラ・ロバーツ)
★★★★
お父様がお母様をレイプしている。ジャキール王国のハーレムに生まれたプリンセス・エイドリアンは、寝台の下で耳をふさいだ。王の寵愛を失い虐待されていた母は、幼い彼女を連れて祖国アメリカへ逃亡した。傷ついた母が麻薬と酒に溺れて死んだとき、エイドリアンは復讐を決意する。王宮の金庫から父の権威を象徴する『太陽と月』を盗み出すのだ。美しく成長し、社交界の華となったプリンセスの隠された素顔―それは、憎しみに燃える宝石泥棒だった。
母が異教徒であること、生まれたのが息子でないことから、父王に疎まれるプリンセス・エイドリアン。
母は日常的に暴力を受けていた。
ある日、父王のもとから逃げだした二人。
しかし、彼女たちを待ち受けていたのは壮絶な運命だった。
主人公と母の半生が語られる第一部、現在編の第二部・三部で構成。
特に第一部は非常に濃い内容。
全体的にドラマチックな展開で目が離せなかった。
ただ、濃厚な内容だった上巻に比べ、下巻は軽い。
復讐の方法も他にもっとあったのではと思わずにはいられない。
名作になりそうな上巻から、急にロマンス小説に変身した下巻への落差が残念。
とはいえ、総合的にはとても楽しかった。