小説感想ブログ~ロマンスを探して~

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胸キュンなロマンス小説に夢中

「塔を守る貴婦人」シャロン・シュルツェ

塔を守る貴婦人(シャロン・シュルツェ)

★★

 

ジュリアナは今日も剣を携えて森へ出かけた。一年前、城主だった父を亡くし、それ以来、男装して領地を守っているのだ。森は血と陰謀の匂いに満ち、闇夜にまぎれて密偵たちが馬を駆る。ジュリアナはひづめの音に耳をすまし、さっと身がまえた。誰かいる。敵だろうか、味方だろうか?彼女は部下を引き連れ、人影に近づいた。月明かりが蒼白の騎士の顔を照らしだした。

 

父の死後、男装をして領主を守るヒロイン。

ある日、森で傷を負った男を助けて……。

ページ数の割に内容が薄い。

どちらも恋愛に夢中で危機感がないような。

もっとハラハラする展開が欲しかった。

 

 

「帰ってきた侯爵夫人」アン・アシュリー

帰ってきた侯爵夫人(アン・アシュリー)

★★★★★

 

9年ぶりにロンドンの自宅に戻ったジェニファーは決心していた。夫であるロクサム候爵と正式に離婚し、自分の道を歩むのだと。あの日、彼のもとを去ったのは、不貞の罪を決めつけられたから。誤解を解こうにも、夫は固く心を閉ざしてしまった。以後、人の助けも借りて、貧しいけれど幸せな日々を得たのだ。一方、ロクサム侯爵は不信と感概、そして嫉妬に駆られていた。彼が酒にひたって放蕩の日々を過ごしているうちに、幼かった妻は、美しく自信あふれるレディに変身してしまった!秘密めいたその瞳に、どんな過去を隠しているのだ?―。

 

9年前行方不明になった妻が帰ってきた。

彼女は不義の疑惑の中、姿を消していた。

数年ぶりの再会により、二人の時間が動き出す。

サスペンス要素もあり、非常に楽しめた。

二人の心の揺れ動き、個性的なサブキャラたち、飽きさせない展開等、とても好みな作品。

 

 

「麗しの男爵と愛のルール―背徳の貴公子」サブリナ・ジェフリーズ

麗しの男爵と愛のルール―背徳の貴公子(サブリナ・ジェフリーズ)

★★★★★

 

クリスタベルは期せずしてある貴族の手に渡ってしまった“私物”のことで、高級社交クラブのオーナー、バーンのもとを訪れた。皇太子にまつわるその“私物”を取り戻すため、貴族の邸で開かれるパーティにバーンのつてで潜り込むつもりだ。だが招待客のパートナーしか入れないと知り、クリスタベルは彼の愛人になりすますことを提案した。一方、皇太子の隠し子であるバーンは“私物”に興味を抱き、その申し出を受けることにする。野暮な装いのうえ俗世を知らない彼女を、本物の愛人に育て上げるのもまた一興かもしれない…。

 

皇太子の秘密の手紙を取り戻すため、皇太子の落し胤であるヒーローの愛人としてパーティーに潜入することになった未亡人ヒロイン。

彼の敬語がかなりツボ。

時おり見せる腹黒さとのギャップがいい。

全体を通して、二人の気持ちの変化が丁寧に描かれていた。

 

愛人の格言が面白く、これだけでも何度も読み返したくなる。

 

 

「伯爵夫人の条件―華麗なる日々」ペニー・ジョーダン

伯爵夫人の条件―華麗なる日々(ペニー・ジョーダン)

★★

 

パーティ会場で男に言い寄られ、困り果てているジュリアを、サイラス・カボット・カーターは思惑ありげに見つめていた。彼は近い将来、爵位と広大な領地を受け継ぐ名家の御曹司で、常に絶対の自信を持ち、大勢の女性に取り囲まれている。ジュリアが幼い頃から憧れながら、反発も感じていた年上の男性だ。サイラスは「きみもあの男に気があるんだろう?」などと言って軽蔑をあらわにし、違うというなら証明してみせろとたたみかけた。「いったいどうやって?」ジュリアが憤慨して問うと、サイラスは平然と彼女の腰に手をまわし、こんな提案をした。「僕の恋人を演じて、あの男を追い払えばいい」

 

親友の夫から関係を迫られ、逃れる口実にヒーローと結婚することに。

大嫌いなヒーローに2日足らずで夢中になる展開は感情移入できないが、テンポはいいので中だるみしない。

ヒーローがとても魅力。

シリーズもの?らしいが、読み切りなので問題なし。

 

 

「伯爵とシンデレラ」キャンディス キャンプ

伯爵とシンデレラ(キャンディス キャンプ)

★★★

 

下級貴族のお相手役をして生計を立てているジュリアナ。ある日、行方知れずだった幼なじみのニコラスが伯爵となって戻ってきたと耳にして胸を高鳴らせる。“いつか迎えに来る”という15年前の約束を信じ、彼を待ち続けてきたのだ。そしてついに舞踏会で再会の時を迎えるが、ニコラスは信じがたい言葉を口にした―愛など信じていないが、きみを困窮から救うために形だけの結婚をしよう、と。

 

十数年ぶりに帰ってきた幼馴染みが、爵位を継ぎ富豪になっていた…という王道もの。

楽しかったが、ロマンス・サスペンスどちらかに重点を置いた方がもっとよかったかも。

よくも悪くもさらっとしているので、とても読みやすい作品。

 

この作家の作品は、表紙が素敵。

正直、ロマンス小説は本屋で買いにくい表紙が多い。

こういったイラスト風の表紙が増えると嬉しい。

 

 

「嘘のまま愛して」ペニー・ジョーダン

嘘のまま愛して(ペニー・ジョーダン)

★★

 

控えめで有能な会計士サスキア・ロジャーズは、ギリシア人の新社長アンドレアスを前にして、言葉を失った。ゆうべサスキアは、恋人の浮気を疑う親友に泣きつかれ、わざと派手な女を演じて彼を誘惑し、誠実さを試すことにした。後から、声をかけた男性が別人だったことに気づいたのだが、その相手こそ、いま目の前にいるアンドレアスだったのだ。誤解を解こうとするも彼は耳を貸さず、サスキアを蔑むばかり。そして途方に暮れるサスキアに、信じがたい脅しをかけてきた。僕の婚約者のふりをしてほしい―断るなら解雇する、と。

 

親友の頼みで悪女を演じるも、うっかり社長に見られてしまう。

社長に脅され、婚約者のふりをすることに…。

王道だが、どのキャラも人の話を聞かない自己中ばかり。

特にヒーローに惹かれる要素があまりなかった。

 

 

「捨てられた花嫁」 ミシェル・リード

捨てられた花嫁( ミシェル・リード)

★★★★

 

幼くして両親を失い、伯父夫婦に育てられたシャーンは、勤め先の財閥企業で幹部を務める男性と恋におち、やがて婚約した。だが晴れて結婚式という当日、花婿はシャーンを見捨て、あろうことか別の女性のもとへと走ってしまう。ショックのあまり呆然とするシャーンに手を差しのべたのは、花婿の兄であり、冷徹と知られる財閥トップのレイフだった。「代わりに僕と結婚してくれ。そうすれば君の体面は保たれる」不憫な姪を思って泣き崩れる伯父夫婦を安心させるためにも、シャーンはレイフのとんでもない提案にすがるしかなく…。

 

結婚式当日にフラレ、婚約者の兄と結婚することになった主人公。

結婚から始まるロマンスもの。

個性的な傲慢社長のヒーローと、彼に流されまくる優柔不断ヒロイン。

この辺りは好き嫌い分かれそうだけど、性格的にお似合い。

楽しく読めた。