「黄昏にほほを寄せて」リサ・クレイパス
「黄昏にほほを寄せて」リサ・クレイパス
★★★★
「どうしてここにいる?」暗がりで何者かに強く身体を捕らえられ、ポピーは震え上がった。社交シーズンの定宿ラトリッジ・ホテルで、いたずらなペットのフェレットを追いかけるうちに、偶然にも秘密の通路へと迷いこんでしまったのだ。そして暗闇で彼女を取り押さえた男こそ、めったに人前に姿を現さないというこの豪華ホテルのオーナー、ハリー・ラトレッジ本人。住む世界の違う謎めいたハリーと思わずキスを交わしてしまったその瞬間から、ただ平凡な結婚生活を夢見ていただけのポピーの運命は大きく狂い始める――。今まで欲しいものはどんな手段を使ってでも、すべてつかみ取ってきたハリー。知性にあふれ、明るく魅力的なポピーに出逢った彼が、新たに手に入れようと決意したのは……。
ヒロインの魅力がいまいち伝わりにくく、ヒーローが冷酷設定の割に良い人。
設定が生かし切れていないのが残念。
ドラマチックな展開はないが、二人の心の変化に重点を置いており、二人の成長にほろりとした。
サブキャラが魅力的。
シリーズものだが、一巻完結の読みきりなので、これのみでも楽しめる。